2021年度入学の中学生が、在学中の三年間ずっと使って下さる「書写」の表紙絵としてちぎり絵を使って頂きました。きっかけは、発行元の大手教科書出版東京書籍の編集者H氏が書店でたまたま私の、日貿出版社刊「思いを伝える/和紙のちぎり絵春夏秋冬」を見て下さったこと。ただそれだけの、何のつてもない、無名の私に目を留めて下さって、これほど素敵な仕事(一生に一度と思うような)をさせていただけてうれしかったです。
21世紀の新しい人のための書写の教科書は毛筆や硬筆の指導書としてだけでなく、人間の手が書いて伝えるということを大きく深くとらえて、書店の手描きPOPカード、イベントのフリップボード、ポスターやプレゼン用のリーフレットなど、社会のあらゆる情報伝達を視野に編集されていて驚きです。
今も日本のどこかで、この教科書が誰かのカバンの中で、机の引き出しで、静かに息づいて開かれる時を待っている・・・そう思うだけで本当に幸せです。